本の感想「世にも美しい日本語入門」安野光雅 藤原正彦

本の感想「世にも美しい日本語入門」安野光雅 藤原正彦(ちくまプリマ―新書)2006_01

 20年近く前に読んだものを再読した。日本語のよさを二人が熱を持って語り合う。安野氏が言うには「その国のことばが美しいと言えるのは、その国の言葉で書かれた書物がどれほどあるかということではないか」と述べている。古典作品の豊かさのみならず、昨今は書籍離れが加速しつつあるという状況ではあるものの、相当の量の出版物が刊行されて、読まれ続けているということもまた事実である。媒体は紙からデジタルデータにシフトしていくことになったとしてもアクセス可能な「書かれたもの」の量と質とを維持していければよいのだろう。