2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

本の感想「世界を動かした名演説」池上彰 パトリック・ハーラン

本の感想「世界を動かした名演説」池上彰 パトリック・ハーラン(ちくま新書) 書名からしてJFKとかキング牧師とかの演説が収められているのだろうと察せられるが、それはその通りだ。新しいところではゼレンスキー大統領やメルケル首相も含まれている。全部…

本の感想「熊の肉には飴があう」小泉武夫

本の感想「熊の肉には飴があう」小泉武夫(ちくま文庫) この本には前作がある。「漁師の肉は腐らない」(新潮文庫)2014年。この本を出版したときに新潮社編集者だった木村由花さんが同書を出版後に急逝された。木村さんはぜひとも続編を出すことを望んでい…

撮影 北大苫小牧研究林

撮影 北大苫小牧研究林 先月初めて訪ねた場所ですが、紅葉の季節に再訪しようと思っていました。ちょっと遅くなったかもしれないとおもいつつ30日の午前中に出かけました。 ゴジュウカラが近づいてきます 車を降りて歩き始めると、シジュウカラ、ゴジュウカ…

本の感想「秘密の絶景 in 北海道」

本の感想「秘密の絶景 in 北海道」佐藤圭(講談社ビーシー) 留萌出身の写真家でこの写真集は留萌の夕景ショットから始まっている。海に沈んでゆく太陽と夕焼けが見事だ。道内各地で撮影された絶景が収められていて、風景のみならず野生動物の作品もある。撮…

本の感想「ゆく川の流れは、動的平衡」福岡伸一

本の感想「ゆく川の流れは、動的平衡」福岡伸一(朝日新聞出版) 朝日新聞に連載したコラムをまとめたエッセイ集で、初出は2015年12月から2020年3月までとなっている。題材は色々様々だが、科学と日々の生活とを結びつけるようなものが多い。読み応えのある…

本の感想「アメリカ分断の淵をゆく」国枝すみれ

本の感想「アメリカ分断の淵をゆく」国枝すみれ(毎日新聞出版) 著者の国枝氏は毎日新聞の記者で、以前から署名記事を読んで注目していた。アメリカとメキシコで特派員を経験している。この本はアメリカにおける社会問題になっている9つのトピックをまとめ…

本の感想「海外で恥をかかない世界の新常識」池上彰

本の感想「海外で恥をかかない世界の新常識」池上彰(集英社) 池上氏が実際に訪れた世界各地の街についてその歴史や地理を解説している。全部で44都市とりあげられている。まずは博覧強記ぶりに圧倒される。学生の頃に地理はまずまず得意だったが、歴史は日…

撮影 恵庭渓谷

撮影 恵庭渓谷 10月26日の昼過ぎから撮影にでかけました。23日に訪ねた時には紅葉の色づきが悪かったので再訪です。結果的には今日は色づきが進んでいたので前回よりもカラフルな様子でしたが、空気に湿り気があるようで全体的にうっすらと靄がかかったよう…

10月の山行 藻岩山と円山

10月の山行 藻岩山と円山 前日の天気予報で24日は好天とのことだったので、藻岩山と円山とまとめて出かける計画を立てました。藻岩山は学生の時にロープウェーで登ったことがあるのですが、もはや40数年前の事です。自分の足で登るのは今回が最初となります…

撮影 恵庭渓谷と支笏湖

撮影 恵庭渓谷と支笏湖 例年は10月半ばごろに恵庭渓谷の紅葉が見ごろになりますが、今年は1週間ぐらい遅れているようです。18日に行ってみたのですが、数日後ぐらいがよさそうに思えました。そこで週明けの23日に再訪しました。いつもの年よりも色づきは地味…

本の感想「満点のゴール」

本の感想「満点のゴール」藤岡陽子(小学館) 「満点のゴール」とは、「その人にとって満足できる死」の言い換えである。僻地医療の現場で、独居する老人たちがどのように死を迎えようとするかを物語の中心に据えている。死に向かう人たちにはそれぞれの背景…

本の感想「老い方死に方」養老孟司

本の感想「老い方死に方」養老孟司(PHP新書) 養老氏と4人の識者たちとの対談をまとめたもの。対談相手は登場順に南直哉(恐山菩提寺院代)、小林武彦(東京大学定量生命科学研究所教授)、藻谷浩介(日本総合研究所調査部主席研究員)、阿川佐和子(作家・…

本の感想「大造じいさんとガン」椋鳩十

本の感想「大造じいさんとガン」椋鳩十 (大日本図書) 表題作を含めて4作品を収める。他の3作は「山の太郎グマ」「月の輪グマ」「片耳の大鹿」。タイトルに記憶があるので、いずれも子供の頃に読んだことがあるのだろう。どの作品も人と野生動物との関りを…

本の感想「ホイッスル」藤岡陽子

本の感想「ホイッスル」藤岡陽子(光文社) 老夫婦の離婚に関わる騒動を描く。長年生活を共にした夫婦の夫の方が突然家出した。妻が知らないうちに自宅の売却手続きもしてあったので、妻は住居を失うことになった。娘や親類の援助を得て生活を立て直していく…

本の感想「777 トリプルセブン」伊坂幸太郎

本の感想「777 トリプルセブン」伊坂幸太郎(角川書店) 高級ホテルを舞台にした殺人ミステリで、登場人物はほぼ「業者の人たち」。「業者」とは殺人や拉致や死体の始末やらを請け負う裏方仕事である。登場する業者の人たちには殺しの特技があったり、凄…

本の感想「街場の成熟論」内田樹

本の感想「街場の成熟論」内田樹 (文藝春秋) 内田氏が色々な媒体で書いた論考をまとめたもので、内容によって5つのジャンルに分けてある。I ウクライナ危機後の世界 II 沈みゆく社会 III 成熟について IV ジェンダーをめぐる諸相 V 語り継ぐべきこと、とな…

10月の山行 樽前山

10月の山行 樽前山 10月中旬に樽前山麓の紅葉を見ながら、風不死岳に登るのが恒例の山行です。ちょうどナナカマドの色付きがよい頃合いを見計らって行くのですが、なかなかピークに当たらないものです。そこで今年は下見をしました。昨日の夕方7合目のヒュッ…

撮影 樽前山麓 夕方

撮影 樽前山麓 夕方 10月半ばの2~3日だけ樽前山7合目ヒュッテ近くのナナカマドが色づきのピークになります。14日の夕方に様子を見に行きました。 手前のほうはもう日陰になりました もう少し早く現場に到着すればよかったです。ナナカマドはちょうどいい具合…

本の感想「遠い声、遠い部屋」トルーマン・カポーティ 村上春樹訳

本の感想「遠い声、遠い部屋」トルーマン・カポーティ 村上春樹訳(新潮社) 2023年に村上春樹氏による新訳が出版された。1948年の作品でカポーティの初めての長編小説。出版当時は賛否が割れたという。 主人公は13歳の少年で、訳ありで親戚と暮らしていたが…

本の感想「ある日、森の中でクマさんのウンコに出会ったら」小池伸介

本の感想「ある日、森の中でクマさんのウンコに出会ったら」小池伸介(辰巳出版) 分かり易いタイトルの本で、クマの研修者による主にフィールドワークの実態と研究とが読みやすくまとめられている。昨今、各地で問題になっているクマ被害は、人の生活圏にク…

10月の山行 空沼岳

10月の山行 空沼岳 空沼岳には3~4回登ったことがありますが、最後に登ったのは10年ぐらい前のことで随分と昔のことです。登るたびにルート上のあちこちにあるぬかるみにはまって、靴はいつもドロドロになりました。そこで、この度は長靴で行こうと決めまし…

本の感想「いつまでも白い羽根」藤岡陽子

本の感想「いつまでも白い羽根」藤岡陽子(光文社) 作者は大学卒業後に新聞社に就職し、その後、海外留学をした。帰国してからは看護学校に入学して看護師になった経歴を持つ。この小説は看護学校で学ぶ学生たちの日常を描いている。作者の経験が反映された…

本の感想「空にピース」藤岡陽子

本の感想「空にピース」藤岡陽子(幻冬舎) このところ教員の働き方改革が以前と比べてぼちぼちと注目されるようになってきたように思う。そのことで最も顕著な変化と言えば、教員志望の人数が減っていることだとだから行政の無策ぶりには目も当てられない。…

本の感想「新・地図のない旅 II」五木寛之

本の感想「新・地図のない旅 II」五木寛之(平凡社) 平成の終わりから令和の初めぐらいまでに書かれたエッセイが収められている。3巻シリーズの2巻めなので、次の最終巻はこれよりも新しいもので構成されるのだと思われる。1巻目同様に肩の凝らない楽しめる…

10月の山行「目国内岳」と「神仙沼」

10月の山行「目国内岳」と「神仙沼」 9日は3連休の最終日となりました。隠居してからはできるだけ平日に出かけるようにしていますが、この度は天候の関係で連休中の山行になりました。 4:26に出発しました。まだ夜空に星が見えています。夜明け前はシカが活…

本の感想「ふむふむ~おしえて、お仕事!」三浦しをん

本の感想「ふむふむ~おしえて、お仕事!」三浦しをん(新潮文庫) 著者が16人の女性と仕事についてインタビューした。女性たちの職業はちょっと珍しいもので、例えば、靴職人、ビール職人、染色家、活版技師などだ。中には職業ではないがウエイトリフティン…

本の感想「手のひらの音符」藤岡陽子

本の感想「手のひらの音符」藤岡陽子(新潮社) 京都の集合住宅で交流のあった2家族の子供たちの半生のおよそ40年ぐらいを描く。子供たちとは兄と妹の2人と、3兄弟の合わせて5人だ。主人公になっているのは唯一の女性である兄のいる妹。決して裕福でない…

本の感想「メイド・イン京都」藤岡陽子

本の感想「メイド・イン京都」藤岡陽子(朝日新聞出版) 主人公の女性は美大を卒業して東京のインテリア関係の会社で働いていた。仕事絡みで知り合った銀行員と婚約して退職。婚約者が家業を継ぐために実家に戻るのと一緒に京都での生活が始まった。当面、婚…

本の感想「<旭山動物園>革命」 小菅正夫

本の感想「<旭山動物園>革命」 小菅正夫(角川書店) 著者はNHKR1の人気番組「こども科学電話相談」の動物ジャンルの回答者のひとり。今は札幌市円山動物園の参与だが、この本の出版時には旭山動物園の園長の役にあった。 旭山動物園が動物の行動展示を軸…

本の感想「スポーツの価値」山口香

本の感想「スポーツの価値」山口香(集英社新書) コロナ禍とタイミングが重なった東京オリンピック開催の是非が論じられていた時に、山口氏は開催の延期を提案していた。その時のことをこの本では次のように記してある。「あのときのスポーツ界には、「何が…