2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

撮影 2024年3月 千歳青葉公園

撮影 2024年3月 千歳青葉公園 雪融けが少しずつ進むこの時期は青葉公園で野鳥やリスなどを撮影しに出かけます。今年は数日訪ねました。いつも野鳥の撮影に来ている人たちが少なくないのですが、中には機材が¥100万を超える装備の人も珍しくありません。昨今…

本の感想「黄金の騎士団」井上ひさし

本の感想「黄金の騎士団」井上ひさし(講談社) 初出が1988年6月~1989年7月の「夕刊フジ」の連載で、未完の作品である。この本は620頁の長さがあるのでもう少しで完結するところだったのかもしれない。最後までストーリーを追えないのはとても残念だ。 四谷…

本の感想「告白の余白」下村敦史

本の感想「告白の余白」下村敦史(幻冬舎) 高知県で農家を営んでいる家族には双子の兄弟がいる。兄は実家を出て「放浪」していて、家業は両親と弟が営んでいる。兄は全国各地から時々絵葉書を送ってくるが、どこでどうしているのか詳しいことは記していない…

本の感想「先生、アオダイショウがモモンガ家族に迫っています!」小林朋道

本の感想「先生、アオダイショウがモモンガ家族に迫っています!」小林朋道(築地書館) シリーズ13巻目。本のタイトルにある通りの設定を実験で試した。母親モモンガと3頭の子供を飼育箱に入れて一定期間馴らす。そこに実験室で飼っているアオダイショウの…

本の感想「胡蝶殺し」近藤史恵

本の感想「胡蝶殺し」近藤史恵(小学館) 主人公の歌舞伎役者には小学生の息子がいる。自身の後継ぎとして同じ道を選ぶことを期待している。主人公に自分の息子と同い年の子供の後見人になって欲しいという依頼があった。その子の父親の歌舞伎役者が亡くなっ…

本の感想「マイ・リトル・ヒーロー」冲方丁

本の感想「マイ・リトル・ヒーロー」冲方丁(小学館) オンライン・ゲームの物語だが、こういう分野のことは全く知識がないので読んでいてよく分からないことだらけだった。50ページぐらい読んだところで止めようかと思ったのだが、知らない分野のことを少し…

本の感想「リミット」五十嵐貴久

本の感想「リミット」五十嵐貴久(祥伝社) 新刊の新聞広告で作者の名前を知ったことで初めてこの作者の作品を読んでみた。深夜のラジオ番組にリスナーから自殺予告のメールが届いた。番組の放送終了時に自殺するという。いたずらのメールかもしれないが、番…

本の感想「夜のピクニック」恩田陸

本の感想「夜のピクニック」恩田陸(新潮社) 高校の学校行事で「歩行祭」というものがある。朝、学校を出て延々と長距離を歩き深夜の2時から過眠を取り、朝4時から再スタートして学校へ戻るといういささか無茶な企画だ。毎年秋口に行われるこの行事には全校…

本の感想「方舟を燃やす」角田光代

本の感想「方舟を燃やす」角田光代(新潮社) 1967~2022年まで、主人公2人の半生を描く。一人(男性)は1967年の時点で幼稚園に通っていて、もう一人(女性)はその時点で高校生だった。私自身と年齢が近いのは前者の方で同世代と言っていいだろう。様々な出…

本の感想「忘れないでおくこと 随筆集 あたなの暮らしを教えてください 2」

本の感想「忘れないでおくこと 随筆集 あたなの暮らしを教えてください 2」(暮しの手帖社) このシリーズ4巻のうち2巻目で、日々の気付きにまつわる話として67名のエッセイを収める。興味深い内容だったのはブレイディ・みかこ氏のもので英国の夫婦別姓の現…

本の感想「崩れる脳を抱きしめて」知念実希人

本の感想「崩れる脳を抱きしめて」知念実希人(実業之日本社) 研修医と患者の関係を描くミステリー作品。患者は脳に重篤な疾患があり余命は長くないと分かっている。様々なトリックが次々と出てくるのでちょっと食傷気味になった。もっとシンプルな方がいい…

本の感想「新版 北海道登山口情報400」全国登山口調査会編

本の感想「新版 北海道登山口情報400」全国登山口調査会編(北海道新聞社) 2018年の新版だがすでに数年前の情報なので更新が必要なところもあるだろうと思われる。登山口までのルート状況とトイレの有無、駐車スペースのキャパなどを詳細に紹介してあるので…

本の感想「先生、オサムシが研究室を掃除しています!」小林朋道

本の感想「先生、オサムシが研究室を掃除しています!」小林朋道(築地書館) 「先生、シリーズ」の12巻目。毎度、驚かされることが記してある。ひとつだけ紹介する。ニホンモモンガに取りついているノミについて調べた。まず、その研究対象に驚く。著者はモ…

本の感想「錆びない生き方」五木寛之

本の感想「錆びない生き方」五木寛之(毎日新聞出版) サンデー毎日に連載したエッセイで誰かの言葉について著者が感想を述べるという形になっている。 「夕方こそ一日でいちばんいい時間だ」カズオ・イシグロの「日の名残り」に出てくる台詞である。旅先で…

本の感想「地球の細道」安西水丸

本の感想「地球の細道」安西水丸(A.D.A.EDITA Tokyo) 読み始めて直ぐに再読だと気が付いた。著者が亡くなったのは2014年5月で、この本の出版は同年の8月になっている。おそらく、その頃に書評が出てこの本を知ったのではなかったかと思われる。だから10年ぐ…

本の感想「デヴィッド・ストーン・マーティンの素晴らしい世界」村上春樹

本の感想「デヴィッド・ストーン・マーティンの素晴らしい世界」村上春樹(文藝春秋) そもそもデヴィッド・ストーン・マーティンについて知らなかった。ジャズのレコードのジャケットデザインで多くの傑作を残した画家だそうだ。著者のレコード・コレクショ…

本の感想「先生、洞窟でコウモリとアナグマが同居しています!」小林朋道

本の感想「先生、洞窟でコウモリとアナグマが同居しています!」小林朋道(築地書館) 「先生、シリーズ」の多分8巻目になる。2つのエピソードを記す。 1つめはセグルカモメの数の認識力について。繁殖地での観測のために営巣地にテントを張る。するとカモ…

本の感想「あやし うらめし あな かなし」浅田次郎

本の感想「あやし うらめし あな かなし」浅田次郎(双葉社) 奇譚短編7作品を収める。ストーリー作りの巧い作者なので読み易い。多分、こういう作品は記憶に残りにくいと思う。楽しんで読んでさらっと忘れてしまうような内容だ。だから、例えば出先で何かの…

本の感想「先生、大型野獣がキャンパスに侵入しました!」小林朋道

本の感想「先生、大型野獣がキャンパスに侵入しました!」小林朋道(築地書館) 「先生、シリーズ」のおそらく7巻目だと思われる。期待通りに面白い。このシリーズには外れがない。ひとつだけ、エピソードを記す。 イスラエルのエルサレム・ヘブライ大学の研…

本の感想「ゲームの王国(上)(下)」小川哲

本の感想「ゲームの王国(上)(下)」小川哲(早川書房) ポル・ポト時代と現代のカンボジアを描く大作。上巻はポル・ポト時代、下巻は現代の設定になっている。ポル・ポト時代の恐怖政治を生き抜いた主人公たちがおよそ半世紀経ってどう生きているかがスト…

本の感想「ナカスイ!海なし県の海洋実習」村崎なぎこ

本の感想「ナカスイ!海なし県の海洋実習」村崎なぎこ(祥伝社) 前作を読んですぐに、こちらが図書館に貸し出し可能になっていた。前の作品は主人公が高校1年生で、この作品では2年生になっている。もしかすると3年と卒業までを描く次作の構想があるような…

本の感想「青い孤島」森沢明夫

本の感想「青い孤島」森沢明夫(双葉社) 以前読んだことがあって再読だったが、ストーリーは覚えていなかった。ところどころの場面には記憶があった。東京のイベント会社に勤務するある若手の社員は車内評価が低く、自身の仕事に対しての意欲も低い。会社内…

本の感想「ナカスイ!海なし県の水産高校」村崎なぎこ

本の感想「ナカスイ!海なし県の水産高校」村崎なぎこ(祥伝社) 「ナカスイ!海なし県の水産高校」の続編が最近刊行されていて、その書評を新聞で読んだ。ちょっと気になったので調べてみると、その新刊は「ナカスイ!海なし県の海洋実習」。ということでま…

本の感想「先生、イソギンチャクが腹痛を起こしています!」小林朋道

本の感想「先生、イソギンチャクが腹痛を起こしています!」小林朋道(築地書館) 「先生シリーズ」の第10巻目。この本のタイトルはどうしても気になる。イソギンチャクが腹痛を起こすとどうなるのだろう?まず、何故腹痛になるのかというと、適切でない給餌…

本の感想「何げなくて恋しい記憶 随筆集 あなたの暮らしを教えてください 1」

本の感想「何げなくて恋しい記憶 随筆集 あなたの暮らしを教えてください 1」(暮しの手帖社) シリーズの1巻目で、家族、友人、恩師にまつわる70名の執筆者によるエッセイを収める。初出は2007年~2019年までの掲載からセレクションしてある。登場するのは…

本の感想「生物から見た世界」ヤコブ・フォン・ユクスュル著/ゲオルク・クリサート絵 

本の感想「生物から見た世界」ヤコブ・フォン・ユクスュル著/ゲオルク・クリサート絵 (岩波文庫) およそ90年前に書かれた本で、タイトルの通り色々な生物がどのように世界を見ているかを解き明かしたもの。最初の口絵にヒト、イヌ、ハエが見た部屋の模式…

本の感想「路上のX」桐野夏生

本の感想「路上のX」桐野夏生(朝日新聞出版) 社会的な弱者が適切な支援にアクセスできずに生活破綻に追い込まれてしまうことがある。この作品の主人公はそういう体験者のひとり。高校1年生の時、両親の事情で親元から離され、父方の叔父の家で生活すること…

本の感想「人生に効く寓話」池上彰、佐藤優

本の感想「人生に効く寓話」池上彰、佐藤優(中公新書ラクレ) グリム、イソップ、日本民話を題材にして、現代的な視点から作品を読み解く対談。とてもユニークな視点が数々披露される。こういう「話芸」はユーモアのセンスが巧みでないと上手くいかないもの…

本の感想「先生、シロアリが空に向かってトンネルを作っています!」小林朋道

本の感想「先生、シロアリが空に向かってトンネルを作っています!」小林朋道(築地書館) 著者は鳥取環境大学の教授で専門は動物行動学、進化心理学。この本は「先生シリーズ」の最新刊になる。大分前にこのシリーズを2冊読んだことがあって、面白かった記…

本の感想「美味しいと懐かしい 随筆集 あなたの暮らしを教えてください 4」

本の感想「美味しいと懐かしい 随筆集 あなたの暮らしを教えてください 4」(暮しの手帖社) 69名の執筆者によるエッセイ集で、シリーズ最終巻。テーマは料理、食の思い出の話となっているので、書き手は料理関係者が多めになっている。食べ物絡みのエッセ…