本の感想「北海道野鳥記」竹田津実

本の感想「北海道野鳥記」竹田津実(平凡社ライブラリー

 竹田津氏の写真集で一番有名なのはキタキツネの作品だろう。野鳥の写真集は出版されたことがあるかどうか分からないが、この本では専ら野鳥との関りについて記されている。竹田津氏がまだ学生の頃から、新米獣医師として道東に赴任した頃のエピソードが紹介されている。野生動物と人間との関わり方は当時と今とではかなり違っていて、現行ルールではこういうことはあり得ないだろうということもある。そういうことも含めての記録である。ヒトと野生動物との関わり方はこれがベストという正解はないのだろうと思う。あるルールがどの地域でも有効だということにもならない。現場のそれぞれの状況を的確に判断し、それに応じたローカル・ルールやパートタイム・ルールを適用できることが必要だろう。