9月の山行 羅臼岳

9月の山行 羅臼岳

 羅臼岳には40年ほど前に初任地で同僚に誘われて登りました。その時は知床半島の硫黄山への縦走ルートだったので、羅臼平から東方向に折れました。従って羅臼岳は仰ぎ見ただけで登頂しませんでした。ずっと心残りだったのです。40年もほったらかしておいたのは単に自分の怠慢ですが、ようやく重い腰をあげました。知床までは距離がかなりありますが、40年前にはなかった高速道路がかなり整備されています。往復でルートを変えてみることにしました。

 13日8:36に出発。往路は道東自動車道を利用することにしました。グーグルのドライブルート検索では登山口のある岩尾別温泉までは396kmと表示されました。ちなみに復路に利用する旭川紋別自動車道道央自動車道を経由すると少し距離が長くなって425kmになっています。高速料金は後者の方が¥1750安くなっています。所要時間は前者が6時間07分で後者が6時間31分でした。カーナビがないので道路地図を助手席シートに広げて、さらにルートを手書きで記した「紙媒体カーナビ」を使用します。10:56長流枝PAで小休止。池田ICが料金所になっていました。ここで支払いしてこの先はトール・ゲートはありません。足寄のセイコマートで昼食を購入して食事休憩11:50に出発。道の駅東藻琴に寄ると、断水でトイレ使用はできませんでした。13:36出発。オシンコシンの滝14:57到着でトイレ休憩し、ウトロのセイコマートで夕食用の弁当を購入後、ウトロの野営場には15:17の到着でした。ここまで6時間31分かかりました。野営場は広々として利用者も少なめです。利用料は¥500です。直ぐ近くに¥500で利用できる日帰り温泉がありますので利便性がいいです。

野営場からウトロ港が見えます

 17時過ぎに温泉で入浴しました。小さな施設ですが空いていたのでゆっくり入湯できました。テントに戻って夕食後は横になって休みました。残念な悪癖で相変わらずテント泊では睡眠できません。

 翌朝は4:10から支度をしました。まだ暗い4:30に車をスタートして登山口まで向かいます。4:50に登山口到着で空は明るくなっていました。すでに駐車スペースは混んでいましたが、何とか路肩のスペースに停めました。バスが来て「利尻岳羅臼岳登山ツアー」と表示がありました。連続で2山を登るのでしょう。駐車場を5:03に出発して直ぐ先の所に入山届の記入所があります。記入して5:08に登山道に入ります。3分ぐらい歩いたところで登山道に2頭のシカがいました。若い母シカと子ジカです。近付いていっても動きません。手が届くぐらいの近くまで行くと、ようやく動いて私を先導する形になりました。母シカ、子ジカに続いて翁が歩くという図となってなんだか「日本昔話」のような世界観となりました。そのまま20~30m進むと先頭の母シカが左へよけて藪に入っていきました。人気の山らしく登山道はしっかり整備されています。ササ藪もありますが、背丈が低くてせいぜい膝の高さぐらいしかありません。気候が厳しいので大きく伸びないのだろうと思いました。樹は雪の重さで横に枝を伸ばしていて何度も頭をぶつけました。それ以外は歩きやすい道でした。長い急登もありません。何合目という表示はありませんが、山頂まで何キロ、登山口まで何キロという表示が時々できました。ルートは6.9kmあると分かりました。途中に2か所水場がありますが、弥三吉水は水量はあり見た目はきれいですが、沢水です。さらに上にある銀冷水は水量がありませんでした。どちらも飲料には適さないようです。結局羅臼平まで休みなしで登りました。視界が開けて山頂が青空を背景にして見えました。文句なくきれいです。

山頂が見えます

こちらは知床岬側です

 羅臼平から山頂までは1kmぐらいだと思います。途中まではハイマツが広がる中を進み、最後は巨岩の連続で、岩々した登りです。ペンキでしっかりとマーキングされているので迷うことはありません。慎重に登り進めて8:26登頂しました。

山頂直下の斜面

国後島が見えます

知床岬の方向

山頂の標柱

ガスの動きが速い

 風が強く吹いていてガスが速く動いている状況でした。ちょうど山頂がガスに巻かれたので先行していたカップルは写真撮影して早々に下山してしまいました。ということでしばらくは山頂が貸し切りでした。少し写真を撮って、寒くなったので念のため持参した長袖のシャツを着ました。それでも強風が冷たくてレイン・ウエアも重ね着しました。岩陰で風をよけつつ行動食を取りましたが、その間にもガスが晴れたりかかったりを繰り返しました。国後島が全部見えるとその大きさに圧倒されます。ひょっとして向こうでも今、登山している人がいて山頂からこちらを見ているかもしれないとふと想像したりしました。そうこうしているうちに、だんだん登山者が増えてきました。山頂はあまり広いスペースがありません。いくつもの巨岩を使って積み木を不規則に組み合わせたようなコンポジションになっています。どうやったらこういう地形が出来るのか見当もつきません。

ガスが来ては去り

国後方向

知床岬の方向

またまたガスが流れていきます

さっきよりガスが抜けました

またガスが

またまたガスが動いています

 山頂の風は相変わらずですし、登山者も増えてきたので9:08下山開始しました。天気がよければ1時間ぐらいゆっくりしたかったです。岩場の途中で途地形的に風が当たらなくなったのでしばらく腰かけて撮影していました。ハイマツ帯に入ると先に降りて行った男性が立ち止まって左手方向をみています。「クマが2頭いる」とのことです。距離は正確に分かりませんが100m以上はあると思います。野生のクマは初めてみました。登山口で見かけたツアーの人たちも登ってきました。女性のガイドさんの話では一昨日もこの辺りで2頭見かけたので同じ個体だろうとのこと。ツアーは年配の女性が10名弱ぐらいのパーティでした。ガイドさんは一日おきに斜里岳羅臼岳を登っているのだろうと思います。こういう仕事もなかなかハードでしょう。羅臼平まで降りて、少し休憩してジャケットと長袖を脱いで荷物のパッキングをやり直しました。この辺りで何人か登ってくる人がいましたが、その先では休憩している人3人と会っただけでした。時間的にこれから登ってくる人はいませんし、降りてくる人に追い越されることもありませんでした。静かな下山になりました。最後の方は少し足が疲れた感じがありましたが、羅臼平以降は休憩なしで11:59下山終了。携帯トイレの後始末などをして駐車場には12:03帰着。登りは3時間23分で下りは2時間55分かかりました。

 野営場に戻り、テントの撤収をしました。11時を過ぎるとデイ・ユース料金¥300が加算されるルールですが、サービスしてもらえました。13:07野営場を出て道の駅に寄って昼食を取りました。にしんそば¥1000でまずまずの味でした。13:26道の駅を出発して帰路につきます。

ウトロと斜里の間から見える斜里岳清里から見るのとは違った稜線です

 美幌までは往路と一緒の道ですが、ここから先はR36に入り、端野まで進みます。そこからR333を通過して安国でR242に合流です。16:20ここでセイコーマートに寄って夕食を購入しました。遠軽からは無料区間の高速道に入ります。だんだん日が暮れてきます。上川層雲峡IC辺りからは西の空が夕焼けで見事な景色になりました。運転中でなければ撮影したかったです。10年に一度ぐらいしか見ないような豪勢な夕焼けでした。比布北ICからは有料区間です。比布大雪PAで夕食を取るために休憩しました。ここからは大雪山方面が展望できるのですが、すでに暗くなっていて少し雲もかかっていてうっすらと山並みが見えただけでした。18:03にPAを出て、その先は順調に走行できました。昨夜睡眠がないにもかかわらず、眠くなることもありませんでした。20:19自宅着となりました。

 ドライブ情報は以下の通りです。

 往路 自宅から登山口まで404km(ウトロ市街から野営場の往復は約2.5km)

    自宅からウトロ野営場まで 6時間31分

 復路 登山口から自宅まで434.9km

    ウトロ道の駅から自宅まで6時間43分

 走行トータル距離は839.6km 燃費は 839.6÷30.5=27.53km/Lでした。定速走行が長く、信号機が少なかったのでよい数値になり最高記録になりました。