本の感想「777 トリプルセブン」伊坂幸太郎

本の感想「777 トリプルセブン」伊坂幸太郎角川書店

 高級ホテルを舞台にした殺人ミステリで、登場人物はほぼ「業者の人たち」。「業者」とは殺人や拉致や死体の始末やらを請け負う裏方仕事である。登場する業者の人たちには殺しの特技があったり、凄腕のハッカーだったりとバリエーションがある。登場人物の関係をだんだんと明らかにしていくのはこの作者の流儀である。読み進むにしたがって登場人物の過去の経緯が分かってくる。

 物語中に多くの人が殺されてしまうのだが、陰惨な印象は強くない。ストーリー展開を楽しむ作品だと思う。