本の感想「正直者ばかりバカを見る」池田清彦

本の感想「正直者ばかりバカを見る」池田清彦(角川新書)

 著者のメールマガジン2015年4月~2017年3月までの配信をまとめたもの。5分野に分類してある。「昆虫食はエコロジカル」にはこのような記載がある。「牛では1キログラムの体を作るのに10キログラムの餌が必要で、豚では5キログラム、鶏では2.5キログラムなのに対して、コオロギではたったの1.7キログラムの餌で済む。FAO(国連食糧農業機関)は未来の食料として昆虫食を推奨している」とのこと。昆虫は環境適応能力がずば抜けて高い。その理由の一つは世代交代を早くするために成虫になるまでのスピードが速いからだ。地球で最後まで生き残る生物は微生物を除けばおそらく昆虫なのではないだろうか。接種した栄養からできるだけ早くタンパク質を生成していく能力がある。養殖するのも簡単そうだ。外骨格の節足動物としてはエビやカニなどと同じなので、十分に美味しい昆虫はあるに違いない。コオロギの粉末を使って加工食品を作ることは既に実用化されているとも聞く。