本の感想「アホの極み 3・11後どうする日本!?」池田清彦

本の感想「アホの極み 3・11後どうする日本!?」池田清彦朝日新聞出版)

 週間朝日に2010年4月から2012年8月に連載したエッセイで、ひと昔前のが題材になっている。民主党政権はこの頃だったのでしばしばネタになっている。

 世間的にこうなっているとということの中にはまったく別の見解があったりもする。ちょっとうがった見方は如何でしょうか?というのがこのエッセイの読みどころである。例えば、地球温暖化を防ぐための脱炭素化についてはあまり効果的でないという見解を示している。大気中のCO2濃度と気候変動には明確な関連性はなく、温暖化の要因は太陽活動の変化によると説く。今は著者の見解も変わっているかもしれない。CO2濃度以外の要因についてもより広く目を向ける必要はあるのだろう。

 大方の人たちが抱く「常識」とは違った「物の見方」というのはいつでも大切にするべきものなので、そのための訓練として一読する価値のある本だ。