本の感想「不要不急の男」土屋賢二

本の感想「不要不急の男」土屋賢二(文春文庫)

 週刊文春の連載エッセイで初出が2019年10月から2020年12月までのもの。コロナ禍と時期が重なっているのでそれについての記述も多い。そもそも書名の「不要不急」もコロナ禍でしばしば使われるようになった言い回しだ。「新型コロナの猛威が続いている。まるで長々と説教されているみたいだ。」というのが著者の「コロナ観」として示されている。「長文読解力の問題について(長文注意)」は読点で文を繋げていき、最後に句点がくる仕掛けにしてある。長文の一文で仕上げてある。随分無茶な作文だが、こういうことを試みるという志に脱帽せざるを得ない。