本の感想「透明な夜の香り」千早茜

本の感想「透明な夜の香り」千早茜集英社

 読み始めて直ぐに再読だと気付いたが、ストーリーは全く思い出せなかった。連作短編が8作品収めてある。非常に優れた嗅覚をもつ調香師とそのもとで働く女性が主人公で、それぞれのエピソードではこの調香師が客の希望に応じて何らかの香りを調合する。そのことから物語が展開していく。物語はいささか印象が薄い。再読だと気付いても内容をいっこうに思い出さなかったのはそれが原因だろう。軽い読み物としてちょっと空いた時間で1つずつ読んでいってもよい。外出先での待ち時間などに読むのには適していると思う。