本の感想「レシピの役には立ちません」阿川佐和子（新潮社）
初出は新潮社の「波」の連載エッセイで2018年4月～2024年5月までのものからの抜粋である。阿川氏の料理や食に関するエッセイはこれまでも何冊も読んでいるが、どれも楽しく読めるものばかりだった。私自身は食にも料理にもかなり淡泊でなのだが、この分野のエッセイはよく読むし楽しいと思う。料理における基本的なポリシーの一つは「面倒をかけないこと」だという。省力化できるところは省力化してレシピは自分流にアレンジすることも躊躇わない。言葉で書くと「手抜き」のようにも見えるのだが、よく考えて見ると家庭の普段の料理というのは「省力化と自己流」こそが料理スキルの勘所だと思われる。
