本の感想「空旅ごよみ365日」ルーク・オザワ

本の感想「空旅ごよみ365日」ルーク・オザワ(誠文堂新光社)2024_07

 本書のタイトルに添えて「航空写真家の旅の楽しみ方」「機窓から眺める空と大地」と記してある。搭乗したヒコーキの窓越しに撮影した366枚を日めくりごよみのような作りにしたl冊である。タイトルでは365日となっているが2月29日も含んでいるので366作品が掲載されている。狙う景色が右側か左側かを決めたうえで常に窓側の席を確保する。飛行中はほぼカメラを準備していて一瞬のチャンスを逃さない。ルーク・オザワ氏は風景とヒコーキを絡めた情景的作風を構築した写真家で作品はしばしば神がかり的とも評される。本書に収められた窓からの空撮も見事なものだ。私たちが普通に利用する航空路でこのような絶景を捉えることができるのに驚いてしまう。国内路線の撮影では富士山が入っている作品が多い。やはり特別に美しい山だと思う。ルーク氏は大抵「飛行機」と書かずに「ヒコーキ」と書くのだが、その方が愛着のある対象であることを表すのに適しているからということらしい。美しい写真と添えられた解説と存分に楽しめる。