本の感想「雪原の足あと」坂本直行

本の感想「雪原の足あと」坂本直行(山と渓谷社)2023_05刊

 文庫の復刻版で初出は1965年。坂本氏が開拓農家として暮らした時期や、道内各地の山行の記録をまとめたもの。アイヌの古老との思い出は2話に渡って取り上げている。生涯で80頭以上のクマを撃ったという名人で坂本氏とは初対面で意気投合したという。このような興味深い話が収められている。山行の様子も鮮やかに伝わって来て楽しい。今ならば車でのアクセスが可能なところであっても、当時は何十キロも徒歩で移動した。テントなどの装備も当時はかなりの重量があったののだろうし、山行にはパワーも要ったものだろう。そういったことも文章を読みながら想像することができる。巻頭のカラーページには坂本氏の作品が載っていて楽しめる。