本の感想「原野からみた山」坂本直行

本の感想「原野からみた山」坂本直行(山と渓谷社)2021年02月刊 

 本書は文庫で復刊された。初出は1957年でかなり古い。坂本氏は画家としての顔しか知らなかったのだが、かなり本格的な登山家で若い頃は冬季のペテガリ岳に挑んだりしている。大正末期から昭和初めごろの道内の山行のルポでスケッチを添えてある。当時の山行の様子がよく分かり大変興味深く、軽快な文体で楽しい。登山のあり様も今とは相当に違っていて、スキルのある限られた人たちだけが楽しめるものだったと言える。再訪してみたいと思う山がいくつもあった。