本の感想「利尻島から流れ流れて本屋になった」工藤志昇

本の感想「利尻島から流れ流れて本屋になった」工藤志昇(寿郎社

 利尻島は今年初めて訪ねたのでこれまでにない近しい気持ちが出来た。その利尻島出身で現在は札幌の書店に勤務する著者が身辺雑記のようなエッセイを書いた。本屋の内幕とか仕事の現場ルポという内容ではなくて、主に著者の半生で起きたことを回想して書いている。なにか特別な出来事が頻出するということはない。あの時はこんなことがあって、こんなふうに思っていたというようなことが、よい意味で素人っぽく記してある。故郷の利尻島に抱く素直な愛郷心などを読むと、また利尻島を訪ねてみたいという気持ちになった。来年は、礼文島へ行ってみようと思っているのだが、再来年は利尻島を再訪するのもよさそうだ。