本の感想「無間の鐘」高瀬乃一

本の感想「無間の鐘」高瀬乃一(講談社

 江戸を舞台にした怪奇譚で、ある僧が持つ無間の鐘をつくことでどんな願いでも叶うのだという。僧は出会った人にそのチャンスを与える。但し、その鐘をついた者は死後に無限地獄に落ち、もし子供がいれば現世で苦難の人生を送ることになるという定めがある。6話入っていてそれぞれが完結話になっているが6話めでそれまでの話を総括する仕掛けになっている。そのため6話目は話が込み入っている。

 この作者の作品を2冊読んでみたが、江戸を舞台にした連作短編を得手にしているようだ。このジャンルが好きな人にとっては楽しめるものだろう。私には少し不慣れな印象を持った。