本の感想「この惑星(ほし)の声を聴く」高砂淳二

本の感想「この惑星(ほし)の声を聴く」高砂淳二(クレヴィス)

 「長いこと地球を旅し、写真を撮って歩いている。極寒の地を周ったあとに熱帯雨林に入ったり、南の海に潜った後に高地の乾燥地帯を歩いたり、という旅を続けているうちに、この地球は案外小さいのだな、と思うようになった」と、あとがきに記されている。ネイチャー・フォトグラファーの中でも高砂氏ほど撮影領域を広範にカヴァーしている人は多くない。この写真集に収められた作品の撮影地を地図上でスポッティングしてみればそのことが分かる。宇宙的な広がりを感じさせる星座とオーロラや森の中でひっそりと生きている小さな昆虫まで写真家がレンズを向ける対象は多岐にわたる。地球にはこういう光景があるのかと感嘆させられる。