本の感想「シン・ファイヤー」稲垣えみ子・大原扁理

本の感想「シン・ファイヤー」稲垣えみ子・大原扁理(百万年書房)2024_07

 書名の「シン」は「真の、新しい」で「ファイヤー」は"Financial Independence, Retire Early"のことで「経済的に独立して早期に退職する」ということ。稲垣氏の経歴は知っていたし、会社を早期退職してフリーで活躍していることにも注目している。大原氏のことは知らなかったが、1985年生まれで若い時分に東京郊外で週休5日、年収90万の隠居生活を始めた人とのことだ。本書はこの二人のかなり長い対談である。両氏の共通点はお金を過剰にあてにすることを止めたということだ。お金よりも広い意味での人間関係を築くことの方が人生にとっての財産になるという考えを説いている。これは傾聴に値するが、誰もが直ぐに実践できることではないだろう。二人が時代の先駆者として、こういうやり方もあるのだと私たちに示しているように思う。

 本書は受験参考書のように、大事なところをマーキングしてある。読んでいてそれは少しうるさい印象を持った。