本の感想「蓮の数式」遠田潤子

本の感想「蓮の数式」遠田潤子(中央公論新社)2016_01

 登場人物が多くて人物関係を把握するのに苦労した。主人公が誰なのかも特定しにくい。中心になっている人物は30歳前の男性で、算数障害(ディスカリキュア)があり、セックス依存症でもある。この人物に様々な人たちが関りを持つが、中には殺されてしまう者もいる。ストーリーは人間の心の闇の部分に触れながら進んでいくので、明るいストーリーではない。一見平和に見える暮らしにも裏を返せば危機をはらんでいたり、夫婦関係でも夫が妻を過度の支配下に置くという例もある。犯罪を犯して逃亡する者もおり、それを支援しようとする人たちもいる。かなり込み入った物語なので、もう少し切り詰めて読み易さに重点を置く方がよいような気がした。