本の感想「本屋さんで待ちあわせ」三浦しをん

本の感想「本屋さんで待ちあわせ」三浦しをん(大和書房)

 2012年の発刊なので紹介されている本は少し古いものということになる。三浦ファンとしては大変興味深い。読みたい本をリストアップしていくことになる。かなり絞ってメモしていったところ9冊になった。このうち図書館にあるものが何冊あるか分からないが、まずは検索して確かめてみたい。三浦氏は漫画にも造詣が深くていくつもの作品を紹介しているけれども、そちらまでフィールドを広げようとするとキリがなくなりそうだ。まずは漫画以外を片付けていきたい。かなりの冊数が取り上げられているのだが、既読のものはとても少なかった。知らない作家、作品は果てしなく存在する。入手可能なものからボチボチと楽しんでいきたいと思う。

 読書について三浦氏の見解も記してある。「読書が嫌いなひと、読書以外の楽しみを知っているというひとに、無理に本を読めと勧める必要はないと、個人的には思っている。読書は、限りある生を、より楽しく深くまっとうするための、ひとつの手段にすぎない。ただ、読書という手段もあるのだということを、いざというときのために胸にとどめておくのは、決して損ではないだろう。(中略)本は、人間の記憶であり、記録であり、ここではないどこかへ通じる道である。特別な機械も作法も充電器も必要なしに、時間と空間を越えた異世界へ、私たちを連れて行ってくれる。もし、さびしくてたまらなかったり、だれかの助言が欲しかったり、時間をつぶしたかったりするのに、どうしてもいい解決策を見つけられなかったら、読書という手段があることを思い出して欲しい。本は、求めるものの呼びかけに必ず応えてくれるだろう。」名文である。軽快で、平明で、浸透力があり心に響く。中学と高校の全ての国語の教科書の巻頭に載せたい。