本の感想「扉の向こう側」ヤマザキマリ

本の感想「扉の向こう側」ヤマザキマリ((マガジンハウス)

 ヤマザキ氏がこれまで出会った人たちとの思い出話を記したエッセイ集で、それぞれのエピソードには著者自身による絵が添えてある。ヤマザキ氏のマンガ作品は読んだことがなくて、専ら著作を読んだり、ラジオなどでの発言を聞くばかりなのだが、元々画家・マンガ家だから絵の鑑賞も大いに楽しめた。

 世界の色々なところで出会った人たちが著者の今を形成してきた。長い交誼があった人もいれば、1日だけタクシーの運転を頼んだドライバーとか、バス停でたまたま見知らぬ人に声をかけられたという出会いなどもある。どのエピソードも味わい深い。

 初出は ku:nelの2017年5月~2021年9月と2016年11月(パドヴァの家)となっている。雑誌の連載だったようだ。