本の感想「青い孤島」森沢明夫

本の感想「青い孤島」森沢明夫双葉社

 以前読んだことがあって再読だったが、ストーリーは覚えていなかった。ところどころの場面には記憶があった。東京のイベント会社に勤務するある若手の社員は車内評価が低く、自身の仕事に対しての意欲も低い。会社内でも軽く扱われていて、この度、命じられた仕事は人口200人に満たない離れ小島の地域起こし。一人でその小島に乗り込んだ主人公は、この仕事はバカンスだと決めて適当に終わらせたら退職する計画を立てた。島は自然が豊かで食べ物もおいしい。島民は何故か東西の2陣営に分かれていて、お互いしっくりしない関係にある。島民たちとの交流が深まっていく中で、島の生活には様々な事情があることに気付いていく。と同時に会社に命じられた仕事にどう取り組めばいいのかも思案するようになっていく。ある時、社長からの電話が入ったことがきっかけで主人公と島の人たちの関係にひびが入ることになるのだが、主人公にとって有力な仲間たちがいた。大掛かりなシナリオを描いて島民たちに大芝居を打とうとする。

 再読なのに記憶が薄かったのはストーリーが軽すぎる印象だからだろう。ちょっと「ご都合のよさ」があり過ぎだと感じた。