本の感想「リミット」五十嵐貴久

本の感想「リミット」五十嵐貴久祥伝社

  新刊の新聞広告で作者の名前を知ったことで初めてこの作者の作品を読んでみた。深夜のラジオ番組にリスナーから自殺予告のメールが届いた。番組の放送終了時に自殺するという。いたずらのメールかもしれないが、番組のディレクターは直感的にそうでないと感じた。番組のパーソナリティはその晩の放送で、番組あてに自殺予告のメールが届いたことを放送で紹介した。局の上層部は番組でこのことに触れることを止めさせようとするが、生放送なのでパーソナリティが言うことはそのまま電波に乗ってしまう。放送時間は2時間のリミットがあり、その間にメールが悪戯かどうかを探っていかねばならない。出来ることは限られており、緊迫した状況を描いていく。そもそもの設定が非現実的な印象で無理矢理話を作っているような印象が強かった。同じ作者の警察小説で謎解きの作品も読んだが好印象ではなかった。どちらかと言えばこちらの作品の方がよいと思った。