本の感想「『死後生』を生きる」柳田邦男

本の感想「『死後生』を生きる」柳田邦男(文藝春秋)2025_01

 一部書き下ろしを含み、これまで様々な媒体に発表された生と死の問題についての文章をまとめてある。「死後生」とは柳田氏の造語である。「人間死んだら終わりといわれますが、私はそうは思わない。なぜなら、人の精神性のいのちを映す最後の生き方や言葉は、遺された人の心に生き続け、その人生を膨らませていくからです。このことを私は『死後生』と呼んでいます。」と説明する。柳田氏が直接に間接に関わった死んでいく人と遺された人たちのそれぞれの状況を描き、その人たちへの敬意や感謝を率直に書き記している。著者が生と死をテーマにしたのは1970年代からだが、本書ではコロナ禍における医療現場も取材している。自分事としてじっくりと考えたいテーマだった。