本の感想「ふむふむ~おしえて、お仕事!」三浦しをん

本の感想「ふむふむ~おしえて、お仕事!」三浦しをん新潮文庫

 著者が16人の女性と仕事についてインタビューした。女性たちの職業はちょっと珍しいもので、例えば、靴職人、ビール職人、染色家、活版技師などだ。中には職業ではないがウエイトリフティング選手もいる。自分が従事する職業のことはそれなりによく分かる(分かったつもりでいる)ものの、やったことのない無数にある様々な職業のことは興味があるものだ。昔と比べて今は、生涯にいくつもの職業を経験する人が増えていると思う。私は就職して以来ずっと同じ職業に従事してそのまま退職した。もしも管理職に登用されればいくらか違った業種を経験したようなことになったのかもしれないが、そうもならなかった。だから自分がやってきた職業以外の数々の仕事に対しては野次馬的な好奇心がある。そういう気持ちは誰にでも共通にあるものではないのだろうと思うが、三浦氏は私と同様に人の仕事を覗いてみたい気持ちが強いのだ。

 ということで、とても面白いインタビュー集になっている。この本はたまたま古書店で見つけて¥110で入手した。大変お得な買い物だった。