本の感想「50代で一足遅れてフェミニズムを知った私がひとりで安心して暮らしていくために考えた身近な政治のこと」和田静香(左右社)
大事なことなので最初に記すが、書名が長すぎるのは駄目。著者には「前科」がある。「時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか?国会議員に聞いてみた」と「選挙活動、ビラ配りからやってみた。「香川1区」密着日記」という長すぎる書名。本の内容を要約しているという点では利便性があるものの、書名としては規格外と断ずるしかない。人名だって「寿限無寿限無…」と名付けることは違法ではないにしても、常識を欠く。こういう無茶はこれきりにして欲しい。反省するべきである。理由は、例えば、書店でこの本のことを尋ねるときや注文する時の不便。図書館でもデータベースに登録する時の不便。利用者がリクエストする時に書面記入する時の不便。新聞の書評欄で取り上げるときの不便などがある。
書名で内容が分かってしまうから感想を述べるのも野暮だけれども、主に取り上げているのは神奈川県大磯町の町議会のことで、議員が約20年前から男女ほぼ半々の構成になっていることを現地で取材したルポである。いくつかの成り行きでこのようになったのだが、女性たちが始めた「大磯消費者会」の活動とか、中学校での生徒たちが中心となった校則の見直しの体験、議会でどんなことをどんなふうに話し合っているかを積極的に情報公開していくという仕組み、などが要因になっていると説く。興味深い内容であるし、国政レベルでも議員の男女構成は見直しが進んでいくべきであろう。