本の感想「闇からの贈り物(上・下)」V.M.ジャンバンコ

本の感想「闇からの贈り物(上・下)」V.M.ジャンバンコ 谷垣暁美 訳 (集英社文庫

 殺人課の捜査官が主人公の警察ミステリー。登場人物が多すぎて分かりにくくなる。ブックカバーの裏に「主な登場人物」がリストになっているので何度も確かめながら読んだ。上下2巻の長編でストーリの展開が緩慢である。翻訳も分かりにくいところがあった。とうことであまり読む価値はなかったというのが偽らざるところだ。宮部みゆき氏の書評集に乗っていたのをきっかけにして読んでみたが、これは外れだった。  

 ストーリーは家族4人が惨殺された事件を追う。主人公の捜査官は殺人課での経験は浅い。一緒に捜査をするベテランは途中で銃撃にあって捜査から離脱してしまうので、いわば孤軍奮闘して捜査を進める。事件の容疑者はいくつかの有力な証拠から、ほぼ特定された。しかし、主人公はそれらの証拠は巧妙に偽装されていていて別に真犯人がいる可能性に気付く。周囲の理解が得られないままに真相を追っていく。というのが大まかなストーリーだが、あれやこれやと枝葉が多くなりすぎて読むのは大変だった。