本の感想「山は泊ってみなけりゃ分からない」石丸謙二郎

本の感想「山は泊ってみなけりゃ分からない」石丸謙二郎(啓文社)2024_03

 山登りをテーマにした読み易いエッセイ。石丸氏の著作を読むのはこれが初めてだった。アウトドア活動を趣味にしていて山行もベテランだということは知っていた。自分も登ったことのある山も登場するので楽しく読めた。利尻山の山行記は印象に残った。私は昨年夏に登ったが石丸氏はもっと前に登っていたらしい。甘露泉水という湧き水が3合目にあって、この先には水場はない。推奨される携帯する水の量は2Lなのだそうだが、石丸氏は荷の軽量化を優先して1Lで登ったという。登りの8合目で飲み切ってしまった。したがって下山は給水のことばかり考えていたのだという。私は湧き水で0・75Lの水筒を満たして他に0.5Lのペットボトルを持って登った。山頂あたりで水筒の分は飲み切ったがペットボトルの分は半分ぐらいは残して甘露泉水まで戻った。この時の冷たい水のおいしさと言ったら比類なきものだった。