本の感想「救命センター当直日誌」・「救命センター カンファレンス・ノート」浜辺祐一

本の感想「救命センター当直日誌」浜辺祐一(集英社)・「救命センター カンファレンス・ノート」浜辺祐一(集英社

 前者は2001年、後者は2021年の出版で著者はその間ずっと救命救急センターに医師として勤務し続けている。この本はそこで対応する様々な事例を紹介したもの。著者が患者や若い医師たちへ語ることは前者では後者と比べると辛辣さがある。後者では自身も年齢が高くなり昇進した役どころになっていてずっと穏当になっている。救急救命の現場は言うまでもなく「死ぬか生きるか」が日常であり、それに対応できるスキルをもつ医師が辣腕をふるう場所だ。とりあげられているエピソードには強いドラマ性がある。処置室での緊迫した様子や医療の在り方への現場感のある考察が読みどころとなっている。